
リンゴマークのまま動かない、再起動を繰り返して操作できないなどのリンゴループに陥った経験のある方はいらっしゃいませんか?
iPhone本体の故障やソフトウェアの不具合により、リンゴループが引き起こされてしまうことがあります。
ここでは、リンゴループから抜け出せなくなってしまった場合の対処法や原因について解説していきます。
- 目次
iPhoneのリンゴループとは?
リンゴループとは、「iPhone」「iPad」「Mac」などのApple製品で起こる不具合の一つで、リンゴマークから切り替わらない状態のことです。
起動してから時間が経過しているのに、「リンゴマークから画面が切り替わらない」「リンゴマークが消えて切り替わったと思ったら、リンゴマークのまま」「リンゴマークから歯車に切り替わり、再起動を繰り返す」このような現象を「リンゴループ」と呼びます。
iPhoneのリンゴループが起こったときの対処法
リンゴループが発生した場合でも、必ずしも修理が必要とは限りません。まずは自分でできる基本的な対処法を順に試してみましょう。軽度の不具合や設定の問題であれば復旧できるケースもあります。ここでは、リンゴループ発生時に試すべき対処法をわかりやすく解説します。
強制再起動を試す
一時的なシステムエラーでリンゴループになっている場合は、強制再起動で復旧することがあります。PCがフリーズしてしまった時に、強制終了されたことがある方もいると思いますが、同じ原理です。なお、強制再起動の方法は、iPhoneの機種ごとに異なります。
iPhone 8~iPhone 14シリーズ
左側の音量を上げるボタンを押してすぐはなす、左側の音量を下げるボタンを押してすぐはなしたら、右側のサイドボタンを押し続けます。
iPhone 7/iPhone 7 Plus
左側の音量を下げるボタンと右側のサイドボタンを同時に長押しします。
iPhone 5~iPhone 6シリーズ
ホームボタンと上部ボタンもしくは右側のサイドボタンを同時に長押しします。
リカバリーモードで復旧を試す
強制再起動で改善しない場合は、リカバリモードを試してみましょう。リカバリーモードは、Appleが推奨するiOS更新・初期化することができる機能です。
強制的にiPhoneを「リカバリーモード」にする方法は、iPhoneをパソコンからiTunesに接続した状態で強制再起動します。Appleロゴが表示されてからもボタンを押しつづけるとリカバリモードの画面に切り替わります。
DFUモードで復旧を試す
リカバリーモードでも改善しない場合は、「DFUモード」を試します。iPhoneのファームウェアとiOSを完全に再インストールする方法で、より深刻なシステムエラーに対応できます。ただしデメリットがあり、Appleが推奨しているわけではないので、DFUモードを利用した場合は、保証の対象外になってしまいます。なお、データはすべて消去され初期化されてしまう点に要注意です。
iPhone 6s 以前の場合は、「電源ボタン」を長押ししてAppleロゴが表示されたら「電源ボタン」を押し続けながら「ホームボタン」も同時に長押しします。画面が真っ暗に切り替わるので「電源ボタン」だけ離して「ホームボタン」を押し続けます。
iPhone7/7Plusの場合は、「電源ボタン」を長押ししてAppleロゴが表示されたら「電源ボタン」を押し続けながら「音量を下げるボタン」を同時に長押しします。画面が真っ暗に切り替わるので「電源ボタン」を離しだけ離して「音量を下げるボタン」を押し続けます。
iPhone 8以降のモデルの場合は、「音量を上げるボタン」を押しすぐ離して「音量を下げるボタン」を押してすぐ離します。そのあと「電源ボタン」を画面が真っ暗に切り替わるまで10秒ほど押してそのまま「音量を下げるボタン」を5秒ほど押し続けます。さらに「電源ボタン」を離して「音量を下げるボタン」をさらに10秒ほど押し続けます。
これらの方法で、「iTunesはリカバリーモードのiPhoneを見つけました。」と表示されると成功ですので、ボタンを離してください。
SIMカードを抜いて起動できるか確認
SIMカードが正しく認識されない場合もリンゴループの原因になります。SIMを抜いてから再起動し、症状が改善するか確認しましょう。SIMトレイにホコリや汚れが付着している場合は、軽く拭き取ってから再挿入します。
iTunesと同期する/iOSをアップデート
古いiOSバージョンやアップデート失敗もリンゴループの原因となります。iTunesに接続して最新のiOSに更新することで、問題が解消する場合があります。
セーフモードで原因を探る
セーフモードは、iPhoneをiOSの基本機能のみで起動させるための機能です。iOS以外のソフトウェアに問題があり、iPhoneが正常に作動しない場合の確認に利用します。起動に必要のないアプリを無効にして、iOSとシステムに組み込まれたアプリだけを起動することで、他のアプリやプロファイルが影響している可能性を探ることができます。
こちらのセーフモードの起動は、「リンゴループからの復旧」「iPhone脱獄による不具合確認」に使用される場合がほとんどです。
また、原因の可能性を探れる機能なので、セーフモードを起動することで問題が解決されるわけではありません。
リンゴループが起きる前に、アプリやプロファイルを削除することで解決できる可能性があります。セーフモードについて詳しくは以下の記事をご参考ください。
iPhoneのリンゴループが起こる6つの原因
iPhoneがリンゴループに陥る原因は、主にソフトウェアの不具合とハードウェアの故障に分けられます。どちらのケースも、普段の使用環境や設定によって起こることが多く、事前に原因を知っておくことで再発防止にもつながります。ここでは、代表的な6つの原因について詳しく解説します。
ストレージ容量不足
iPhoneのストレージがほぼ満杯になると、システムの処理に必要な一時領域が確保できず、リンゴループが発生する場合があります。特に、iOSアップデートやバックアップの復元時は空き容量が不足しているとエラーが起きやすくなります。
写真や動画、不要なアプリを削除することで空き容量を確保し、定期的な整理を心がけることが予防につながります。
iOSアップデートの失敗
iOSのアップデート中に電源が切れたり、Wi-Fi接続が途切れたりすると、システムが中途半端な状態になりリンゴループに陥ることがあります。特に、ストレージ容量不足や古いiTunesを使って更新した場合に発生しやすいです。
深夜のiOSアップデートの自動更新を有効にしていると、朝目覚めたらリンゴループが起こっていたなんてことも考えられます。自動更新のアップデートを有効にしている場合は、「バッテリー切れ」「空き容量」「Wi-Fiの通信環境」に注意しましょう。
ソフトウェアの不具合やバグ
アプリやシステムファイルの破損、設定の競合などが原因でリンゴループが起こるケースもあります。特定のアプリをインストールした直後に症状が出た場合は、そのアプリが原因の可能性があります。
最新のiOSにアップデートしたり、問題のアプリを削除したりすることで復旧する場合もあります。
水没や本体の損傷
iPhoneが水に濡れたり、落下によって内部パーツが損傷したりすると、基板やバッテリーに不具合が生じ、リンゴループになることがあります。見た目に問題がなくても、内部の接触不良や腐食が進んでいるケースもあります。Touch IDやFace IDなどの生体認証に使用されている箇所が破損してしまうと、特にリンゴループが起こる可能性が高いので要注意です。
iCracked Storeのお客様でも顔認証できなくなり、再起動をしたらリンゴループに陥りお困りの方が来店されたことがあります。iPhone 11 Proの画面が割れたまま使用していたようです。分解して確認してみると割れた画面から水が入り込んでいたようで水没によってFace IDが故障していました。
強制再起動を繰り返している
強制終了を何回も繰り返すとリンゴループが起きることがあります。フリーズして動かない場合など、強制終了をすることがあると思いますが、この強制終了を何度も繰り返すことでリンゴループに陥ってしまいます。
脱獄(Jailbreak:ジェイルブレイク)
iPhoneの脱獄はリンゴループを引き起こす可能性があります。脱獄とは、ユーザー権限に制限を設けているiPhoneに対して、セキュリティの脆弱性を突いて制限を取り除き、取り除いた状態でソフトウェアを動作できるようにすることを言います。
Apple Storeでは、ダウンロードできないアプリのインストールができたり、アイコンや壁紙を自由に変更できたりします。
その場合に、脱獄ツールのインストールでバージョンが対応していないことや、脱獄後にウイルスに感染してしまうことによってリンゴループが起こる可能性があります。
Appleの規約違反であり、違法ではありませんが公式サポートが受けられなくなったり、リンゴループが起きるデメリットもあるので注意が必要です。
自力で解決できない場合の対処法(修理・相談先)
ここまでご紹介した方法でもリンゴループが改善しない場合は、内部の基板やハードウェアに問題が生じている可能性があります。このようなケースでは、自己判断での分解や修復は避け、修理業者に相談するのがおすすめです。主な修理・相談先と、それぞれの特徴や費用目安について解説します。
Apple正規修理に依頼する
最も安全で確実な方法は、Apple Storeや正規サービスプロバイダに修理を依頼することです。純正パーツを使用して修理が行われるため、品質が保証されており、Appleの保証やAppleCare+に加入している場合は、無料または割引価格での修理が可能なケースもあります。ただし、修理完了まで数日かかることがある点は注意が必要です。
修理を依頼する前に、Appleのサポートページやアプリから事前予約を行い、保証状況を確認しておくとスムーズです。
非正規修理業者に依頼する
すぐに修理をしたい場合や、正規修理よりも修理費用を抑えたい場合には、非正規の修理業者に依頼する方法もあります。街中の非正規修理店では即日対応してもらえることが多く、料金も正規修理店に比べるとリーズナブルです。
ただし、純正部品ではない場合や、修理後にAppleの保証が受けられなくなる可能性があるため、口コミや実績、修理後の保証期間などを確認し、信頼できる修理業者を選ぶことが大切です。
修理費用の目安
リンゴループの修理費用は、原因や修理方法によって大きく異なります。一般的な修理項目と費用目安は以下の通りです。
| 修理内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| バッテリー交換 | 約10,000円〜20,000円前後 |
| 基板修理 (※Apple Store「その他の損傷」の場合) |
約40,000円〜110,000円 |
Apple正規修理か非正規修理店か、また、iPhoneのモデルや修理内容によって修理費用は変わります。いずれの場合も、依頼前に見積もりを確認するようにしましょう。
iPhoneのリンゴループを防ぐための予防策
iPhoneのリンゴループは、日頃から意識して予防策を実践することで、トラブルの発生を未然に防ぐことが可能です。特に重要な3つのポイントを解説します。
日頃からストレージ容量を確保しておく
iPhoneのリンゴループは、ストレージの容量不足が一因となるケースがあります。写真や動画、アプリなどで容量がいっぱいになると、システムが正常に動作できず不具合が発生することがあるので、定期的に不要なデータやアプリを削除し、常に2〜3GB以上の空き容量を確保しておくと安心です。特にiOSアップデート時には、十分な空き容量がないとインストールが失敗し、リンゴループの原因になることがあります。
iOSアップデートを定期的に行う
古いバージョンのiOSを使い続けていると、ソフトウェアの不具合やバグが原因でリンゴループが発生することがあります。Appleはアップデートを通じて、既知の不具合修正やセキュリティ強化を行っています。Wi-Fi環境が整ったタイミングで定期的に最新のiOSにアップデートし、安定した状態を保つようにしましょう。
iPhoneの落下・水没に気を付ける
物理的な損傷もリンゴループの原因のひとつです。落下や水没によって内部パーツが故障すると、システムが正常に立ち上がらなくなることがあります。ケースや保護フィルムでしっかり保護し、水回りでは使用を避けるなど、日頃から丁寧に扱うことが大切です。もし水没してしまった場合は、すぐに電源を切り、充電せずに修理店へ相談しましょう。
まとめ
リンゴループが治らない場合は、最終的には本体交換になるかもしれません。ただ、リンゴループになった場合には、まず、焦らずに対処方法を一つずつ試してみましょう。
また、原因によっては本体交換をする場合にも、データをバックアップできる状態までは戻せるかもしれないので、お近くのiCraked Storeにご相談ください。
