
iPhoneを修理すると、防水性能はどうなるのかと気になる方は多いのではないでしょうか?iPhone 7以降の機種は耐水性能を備えており、その性能を支える部材の一つが、画面と本体の間に貼られた防水パッキンです。
画面やバッテリーの交換時には防水パッキンの交換・再施工が必要になりますが、新品時と同じ防水性能に戻るとは限りません。この記事では、防水パッキンの役割、防水性能が低下する原因、iCrackedが行った修理後の耐水性能の検証結果を解説します。
- 目次
iPhoneの防水パッキンとは?役割と防水性能との関係
iPhoneの防水パッキンとは、画面と本体の隙間などを塞ぎ、水やほこりが内部に入りにくくするための部材です。iPhoneの画面と本体の間には、端末内部に水やほこりが入りにくいよう、接着シールが貼られています。この記事では、この接着シールを「防水パッキン」と呼びます。
防水パッキンは画面と本体の隙間を塞ぐ部材
防水パッキンは、画面を本体に密着させて隙間を塞ぎ、iPhoneの耐水性能を支える部材の一つです。
ただし、防水パッキンだけでiPhone全体の耐水性能が決まるわけではありません。端末の構造や各部品の状態なども関係するため、「パッキンを貼れば完全に防水できる」というものではない点に注意が必要です。
修理後は新品時の防水性能が維持されるとは限らない
iPhone 7以降の機種は、防沫・耐水・防塵性能に対応しています。耐水性能は機種ごとに異なり、Appleが公表している各機種の耐水性能は次の通りです。
| iPhone 18 Pro iPhone 18 Pro Max iPhone 17 Pro iPhone 17 Pro Max iPhone 17 iPhone 17e iPhone Air iPhone 16 Pro iPhone 16 Pro Max iPhone 16 iPhone 16 Plus iPhone 16e iPhone 15 Pro iPhone 15 Pro Max iPhone 15 iPhone 15 Plus iPhone 14 Pro Max iPhone 14 Pro iPhone 14 Plus iPhone 14 iPhone 13 Pro Max iPhone 13 Pro iPhone 13 mini iPhone 13 iPhone 12 Pro Max iPhone 12 Pro iPhone 12 mini iPhone 12 |
IP68 等級 (深さ 6 m まで、最長 30 分間) に適合 |
|---|---|
| iPhone 11 Pro Max iPhone 11 Pro |
IP68 等級 (深さ 4 m まで、最長 30 分間) に適合 |
| iPhone 11 iPhone XS Max iPhone XS |
IP68 等級 (深さ 2 m まで、最長 30 分間) に適合 |
| iPhone SE (第 2 世代) iPhone XR iPhone X iPhone 8 Plus iPhone 8 iPhone 7 Plus iPhone 7 |
IP67 等級 (深さ 1 m まで、最長 30 分間) に適合 |
「IP」に続く数字のうち、1桁目は防塵性能、2桁目は防水性能の等級を表し、数字が大きいほど性能が高いことを示します。
Appleによると、これらの性能は永続的に維持されるものではなく、通常の使用によって低下する可能性があります。
そのため、購入時に耐水性能があったiPhoneでも、使用を続けるうちに新品時と同じ性能を保てなくなることがあります。修理後も、端末の状態や修理内容によって性能に差が生じるため、防水パッキンを交換・再施工したからといって、購入時の性能がそのまま維持されるとは限りません。
iPhoneの防水性能が低下する原因
iPhoneの耐水性能は少しずつ下がっていきます。原因は、次の通りです。
防水パッキンの経年劣化や剥がれ
原因の一つと考えられるのが、画面と本体の間に使われている防水パッキン(接着シール)の経年劣化です。Appleの公式サイトにも「防沫性能、耐水性能、防塵性能は永続的に維持されるものではなく、通常の使用によって耐性が低下する可能性があります」と記載されています。
フレームの歪みや損傷
iPhoneを落としたり、強い衝撃を与えたりすると、フレームが歪んだり損傷したりすることがあります。フレームに変形があると、画面と本体の間に隙間が生じ、耐水性能が低下する原因になります。
このように、iPhoneの耐水性能は使用中の衝撃などによって低下することがあります。では、修理で画面やバッテリーを交換しても、耐水性能が維持されないのはなぜでしょうか。
iPhoneの修理後に防水性能が維持できない原因
上記で解説している内容と重なる部分がありますが、修理をしても防水性能が維持できない原因は、次の通りです。
修理時に防水パッキンが剥がれ、交換・再施工が必要になる
画面やバッテリーを交換する際は、画面を本体から取り外すため、防水パッキンが剥がれたり、傷んだりすることがあります。そのまま元に戻しても十分に密着しない場合があるため、修理時にはパッキンを新しいものに交換するか、適切に再施工する必要があります。
新しいパッキンを貼り付けても、位置がずれていたり、端末にしっかり圧着できていなかったりすると、画面と本体の間に隙間が生じる可能性があります。修理を依頼する際は、防水パッキンの交換・再施工を行うかどうかを、事前に確認しておくとよいでしょう。
フレームの歪み
フレームが歪んだ状態では、修理後に画面を取り付けても、端末全体を均一に密着させられない場合があります。パッキンを交換・再施工しても、フレームの変形によって隙間が残れば、水の侵入を防ぎにくくなります。
画面やバッテリーを交換しても、フレームの歪みまで直るとは限りません。落下や衝撃による変形がある場合は、修理前にフレームの状態も確認してもらいましょう。
防水パッキンを交換・再施工しても防水性能は完全には戻らない
修理時に防水パッキンを交換・再施工しても、iPhoneの防水性能が新品時と同じ状態に戻るとは限りません。端末の状態や修理内容によって、修理後の耐水性能には差が生じる可能性があります。
防水性能はパッキンだけで決まるものではなく、フレームの状態や端末の使用状況なども影響します。そのため、修理後も水濡れや水没を避けて使用しましょう。
修理後にiPhoneの防水性能を取り戻す方法は?
前述の通り、修理したiPhoneの防水性能を完全に元通りにするのは難しいです。実際、過去にiCrackdで耐水性能の実験を行った時には、やはりスマホのフレーム状態によって修理後の防水性能に違いがありました。結果は次の通りです。
フレームダメージのない端末
新品とほぼ同様の耐水性能を維持できます。何度もテストを繰り返した結果、防水性能を保つためのポイントが分かりました。現在は、iCracked Store 全店に圧着効果を高めるための治具とプレス機を配備しています。
フレームダメージが軽微な端末
ある程度の耐水性能を維持できます。フレーム損傷が軽微であれば圧着することで、「水に濡れてもすぐに拭き取れば大丈夫」くらいのレベルで耐水性能を維持できます。フレームの損傷や歪がある状態では、圧着しても隙間が空くので、濡れたらすぐに水が内部まで侵入してしまいます。防水性能の維持には画面だけでなくフレームや背面など全てを交換する必要があります。
フレームダメージの大きい端末
耐水性能を保つことは不可能です。防水テストは実施していませんが、これまでの経験から防水性能の維持は難しいでしょう。フレームの損傷が激しいものを完全に元通りにできません。
このように、耐水性能は修理する端末の状態に大きく左右されてしまいます。しかし、iCrackedでは、耐水性能を維持するために対策をしています。
iCracked の防水対策
iCrackedではどのようにすれば防水性能が維持できるか常に試行錯誤しています。独自に専用のプレス機や治具を製作して、iCrackedのどこの店舗でも防水性能を高めることができる環境になっています。
また、ご協力いただいたメーカーの工場に持ち込み、修理した端末を防水性能テストをクリアできることを確認しています。
それでも、iCrackedでは、修理前に必ず、「防水性能はお約束できない」ということをお伝えしています。それは、端末の状態によっても違いがあるからです。
修理店によっては、「防水シールを貼るので大丈夫です」と謳い、「防水シール処理 1,000円」など有料にしている修理店もあります。
しかし、「防水シール」と呼んでいるメーカーはありません。シールを貼らなければ防水性のはなくなりますが、貼ったら戻るというものでもありません。
そもそも経年劣化や歪みによっても防水機能が低下しているのに、「シールを貼ったので防水性能が維持される」ということはありえません。
それでもiCrackedでは、全ての修理で新しい防水パッキン(接着シール)をきれいに貼り直します。別途料金をいただくようなことはありません。そのうえで、独自で製作したプレス機や治具を使用して、防水性能を高めることに努力しています。ここまでしている修理店は無いと思います。
耐水性能を維持するためにはそれなりの設備が必要になります。修理後もiPhoneの防水性能を維持するためには、修理店選びが大切です。少なくとも接着シールを貼らない修理店は避けるべきだと考えます。
まとめ
iPhoneの防水パッキンの役割と、修理後に防水性能が低下する原因について解説しました。防水パッキンを交換・再施工しても、新品時の防水性能に戻るとは限りません。修理後の防水性能は、フレームの歪みの有無、接着シールの貼り直し、圧着に使う設備によって変わります。
修理後もiPhoneの防水性能をできる限り保ちたい方は、接着シールの貼り直しや設備の有無も確認したうえで修理店を選んでください。iCrackedでは、防水性能をできる限り維持できるよう修理を行っています。