
「時間がないのに、iPhoneの充電がもうない!」朝の忙しい時間帯や、外出先でiPhoneの充電が残りわずかになり、焦った経験は誰にでもあるのではないでしょうか。そんな時に非常に便利なのが「急速充電」です。短時間で効率的に充電できるため、多くのiPhoneユーザーが活用しています。
しかし、その一方で「急速充電はバッテリーに悪い影響があるのでは?」といった不安の声を耳にすることも少なくありません。本記事では、iPhoneの急速充電のメリットとデメリットを詳しく解説し、バッテリーに与える影響や、安心して長くiPhoneを使い続けるための付き合い方についてご紹介します。
- 目次
そもそもiPhoneの急速充電とは?
iPhoneの急速充電(高速充電)とは、その名の通り、通常の充電よりも大きな電力(W:ワット)を供給して、充電時間を大幅に短縮する技術です。
Appleは、iPhone 8以降のモデルで急速充電に対応していると公式に発表しています。具体的には、Apple純正のUSB-C – Lightningケーブルと、Appleの18W以上や30W以上のUSB-C電源アダプタなどを使用することで、約30分でバッテリー残量を最大50%まで充電できます。
急速充電に必要なもの
iPhoneで急速充電を行うためには、以下の4点が必要です。
- 急速充電に対応したiPhone(iPhone 8以降)
- Apple製の18W以上のUSB-C電源アダプタ(iPhone12以降は20W以上)
- USB Power Delivery (USB-PD) に対応した他社製の電源アダプタ
- USB-C & Lightningケーブル
以前のiPhoneに付属していた四角い5Wのアダプタや、USB-A端子のケーブルでは急速充電はできないため、注意が必要です。
【メリット】iPhoneを急速充電する最大の利点
急速充電がもたらす最大の利点は、何と言ってもその「圧倒的な時短効果」です。これにより、日々のさまざまなシーンで利便性と安心感が得られるでしょう。
時間の有効活用
忙しい現代のライフスタイルにおいて、時間は非常に貴重です。急速充電は、これまで充電に費やしていた時間を大幅に短縮できるでしょう。たとえば、朝の準備をしている30分間や、外出前のわずかな時間でも、iPhoneのバッテリーを活動に十分なレベルまで回復させることが可能です。寝る前に充電を忘れてしまった朝でも、焦る必要がなくなります。
緊急時や外出先での安心感
急な外出や長時間の移動中に、iPhoneのバッテリーが残りわずかになる事態は避けたいものです。急速充電があれば、そのような状況でも安心です。
カフェや新幹線、空港のラウンジなど、コンセントが使える時間が限られている場所でも、短時間で効率的に充電できます。「充電が切れて地図が見られない」「連絡が取れない」といったトラブルを未然に防ぐことができるのは、大きなメリットです。
【デメリット】知っておきたい急速充電の注意点
非常に便利な急速充電ですが、利用する上で知っておきたいデメリットや注意点も存在します。正しく理解し、適切に利用することが重要です。
バッテリーの発熱
急速充電は、大きな電力をバッテリーに送るため、通常の充電よりもiPhone本体、特にバッテリーが熱を持ちやすくなります。iPhoneに使われているリチウムイオンバッテリーは、熱に非常に弱いという特性を持っています。Appleの公式サイトでも、バッテリーの寿命に影響を与える要因として「高温」を挙げています。
急速充電による一時的な発熱が、直ちにバッテリーを著しく劣化させるわけではありません。しかし、頻繁に高温状態に晒されることは、長期的に見てバッテリーへの負荷を高める一因となる可能性があります。また、充電中に操作すると、さらに熱を持つことがあるので注意しましょう。
バッテリーへの負荷
急速充電は高い電圧と電流をバッテリーに流すため、理論上は5Wの通常充電に比べてバッテリー内部の化学反応が激しくなり、負荷がかかりやすいといえます。
ただし、この点についてはiPhone側で高度な制御が行われています。iPhoneにはバッテリーへの負荷を軽減するための保護機能が備わっており、バッテリー残量が80%に達すると、自動的に充電速度を緩やかに切り替える仕組みになっています。これにより、過充電やバッテリーへの過度な負荷を防いでいます。
急速充電はバッテリーの寿命を縮める?その真相と影響
多くのユーザーが最も懸念しているのが、「急速充電を続けると、バッテリーの寿命が短くなるのではないか?」という点でしょう。結論から言うと、「急速充電そのものが寿命を直接的に縮める」というよりは、「急速充電に伴う発熱が、バッテリー劣化の要因になり得る」と考えるのがより正確です。
リチウムイオンバッテリーは、充電と放電を繰り返すことで少しずつ劣化していく消耗品です。これは、急速充電であろうと通常充電であろうと避けられない現象です。バッテリーの劣化は、主に以下の要因が複合的に絡み合って進行します。
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充放電サイクル
フル充電に相当する量の電力を使い切ると1サイクルとしてカウントされます。このサイクル数が増えるほど劣化は進みます。 -
熱
高温環境下での使用や充電は、バッテリーの化学的劣化を加速させます。 -
経年劣化
使用頻度に関わらず、時間経過によってもバッテリーは自然に劣化します。
急速充電は、この中の「熱」の要因を助長する可能性があるため、バッテリーへの影響が懸念されるのです。しかし、後述する「賢い使い方」を実践することで、そのリスクは大幅に軽減できるでしょう。
バッテリーへの影響を最小限に!急速充電の賢い使い方
急速充電のメリットを享受しつつ、バッテリーへの負担をできるだけ減らすためには、いくつかのポイントを意識することが大切です。
充電中はiPhoneの操作を避ける
動画視聴やゲームなど、CPUに負荷のかかる操作をしながら充電すると、本体の発熱がさらに大きくなります。「ながら充電」はバッテリーにとって大きな負担となるため、特に急速充電中は避けるのが賢明です。
ケースを外して充電する
iPhoneケース、特に放熱性の低い手帳型ケースなどは、充電中に発生した熱を内部にこもらせてしまいます。急速充電を行う際は、ケースから外して熱が逃げやすい状態にしましょう。
高温になる場所で充電しない
直射日光が当たる場所や、夏場の車内、暖房器具の近くなど、周囲の温度が高い環境での充電は絶対に避けてください。iPhoneが「高温注意」の警告を表示するような状況は、バッテリーにとって非常に危険です。
信頼できるアクセサリーを使用する
安価な非認証の充電器やケーブルは、適切な電圧・電流の制御ができない可能性があり、バッテリーにダメージを与えるだけでなく、最悪の場合は発火などの事故に繋がる危険性もあります。必ずApple純正品かMFi認証品を使用しましょう。
iPhoneのバッテリー交換・修理ならiCrackedへ
バッテリーの劣化を示すサインに気づいたら、専門家による診断と修理を検討することをおすすめします。自己判断で使い続けたり、自身で分解・修理を試みたりするのは非常に危険です。
適切な知識と技術を持たないまま修理を行うと、iPhoneを完全に使用不能にしたり、データを失ったりするリスクが伴います。急速充電による影響が気になる方、バッテリーの減りが早くてお困りの方は、まずはiCrackedの無料診断をご利用ください。お客様の大切なiPhoneを、より長く快適にお使いいただけるよう、全力でサポートいたします。