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Google Pixel 10 Pro Fold、ケースよりお勧めの保護対策?
コラム 最終更新日: 掲載日:
Pixel 10 Pro Fold、ケースよりお勧めの保護対策?

2025年10月9日、待望のGoogle Pixel 10 Pro Foldの発売日です!
これまでiCrackedは、Google Pixelの正規修理を行っている唯一のプロバイダとしてPixel FoldやPixel 9 Pro Foldの保護の重要性とお勧めの対策についてご紹介してきました。それは折りたたみタイプのスマホのインナーディスプレイが非常に高額であることと、インナーディスプレイがヒンジやフレームと一体型となった部品のため、ヒンジやフレームの傷を治すにもインナーディスプレイまで交換する必要があるからです。

デリケートなインナーディスプレイを保護し、ヒンジやフレームが傷つくのを防ぐには「落とさないこと」が一番大事です。Pixel Foldの記事ではケース&ストラップ、Pixel 9 Pro FoldではMagSafe対応ケース&スマホリングをお勧めしました。
では、Pixel 10 Pro Foldに適した保護対策とはどのようなものでしょうか?

目次

Pixel 10 Pro Foldは先代からどう変わったか?

折りたたみスマホがどんどん薄型化、軽量化されてきていることは、春にコラムでもご紹介した通りです。国内で正規に発売されているFold型(ブック型の大型タイプ)はGoogle PixelとSamsung Galaxyのみですが、Samsungが8月に発売したGalaxy Z Fold7も先代機種と比べて厚み12.1mm→8.9mm、重量239g→215gと薄型化&軽量化を実現しています。

Pixel 10 Pro Foldにも薄型化、軽量化を期待していた方は多いのではないでしょうか。
しかし先代機種Pixel 9 Pro Foldと比べると厚み10.5mm→10.8mm、重量257g→258gと、むしろ微妙に悪化(?)しています。数値だけ見るとトレンドに逆行しているようですが、これは薄型化や軽量化よりも優先したことがあるからなのです。

1.バッテリーの大容量化

ディスプレイサイズが大きいFold型スマホは、当然ながらバッテリーの消費も大きくなってしまいます。Pixel 10 Pro Foldのバッテリーは5,015mAhと先代機種の4,650mAhより増加しています。Googleの発表では「1回の充電で30時間以上もつ」とされていますが、やはりバッテリーの大容量化は嬉しい改善です。
ちなみにGalaxy Z Fold7は4,400mAhと先代機種から変わっていません。(とはいえ、これだけ薄くなったのに同じ容量を維持しているのは凄いと思います!)

ちなみに中国メーカーのFold型スマホは薄型化とバッテリーの大容量化でさらに進んでいます。国内では販売されていませんがOPPOのFind N5は厚み8.93mmでバッテリーが5,600mAh、HONORのMagic V5は厚み8.8mmでバッテリーは6,100mAhとPixelやGalaxyに大きく先行しています。
端末を薄くするにはバッテリーも薄くする必要があるため、大容量化にはエネルギー密度を高める(同じ体積のバッテリーに、より多くのエネルギーを蓄える)ことが求められます。
一方でバッテリーはエネルギー密度が高くなるほど発熱しやすくなり、衝撃による発火の危険性も増してしまうので、「大容量化」と「安全性」は相反するものであり、どのようなバランスとするのかは各メーカーの設計思想で異なります。もちろん大容量化は高い技術力に裏打ちされるものですが、同時に中国メーカーのほうがアグレッシブな設計をする傾向にあり、GoogleやSamsungのほうが安全性に寄せている表れとも言えるでしょう。

2.折りたたみスマホ初、最高等級の防塵性能

Pixel 10 Pro Foldは折りたたみスマホとしては初、IP68の防塵防水性能を実現しています。
【防塵性能】 外部からの固形物の侵入に対する保護性能で、0~6の7等級に分かれています。(最高が6)
【防水性能】 外部からの水の侵入に対する保護性能で、0~8の9等級に分かれています。(最高が8)
※ 防水性能は高温・高圧の噴射に対して保護されるIPX9/9Kという等級もありますが、スマートフォンではIPX8までの検査が一般的です。

IP68の前の数字「6」が防塵性能を、後ろの「8」が防水性能を表していますので、Pixel 10 Pro Foldは防塵性能、防水性能ともに最高レベルのスマートフォンということになります。

これまでもIPX8の防水性能に対応した折りたたみスマホはありましたがIP6Xの防塵性能を持つ機種はありませんでした。これはヒンジ部分に隙間が生じやすく塵や埃の侵入を防ぐことが難しいためです。もちろん隙間があれば水も侵入しますが、その先の本体内部への侵入を防げれば故障することはなく防水性能は確保できます。

これまでの折りたたみスマホでは「180度開かなくなった」などの不具合を聞くことがありましたが、これはヒンジ部に異物が入り込んでしまったため発生していることが考えられます。また、異物がある状態で開け閉めをすると摩擦などでヒンジが破損する可能性もあります。

Galaxy Z Fold7は防塵防水性能がIP48です。防水性能はPixel 10 Pro Foldと同じく最高レベルですが、防塵性能はIP4X、これは「直径1㎜以上の固形物が内部に入らない」という保護等級です。言い換えると「1㎜以下の異物は侵入してしまう」ということです。
ちなみに前機種のPixel 9 Pro FoldはIPX8となっており、防塵性能については謳っていません。各等級で規定されている侵入を保護する異物の大きさはIP4Xが1.0mm、IP3Xが2.5mm、IP2Xが12.5mm、IP1Xが50mmです。ヒンジの隙間に2.5mmやそれより大きい異物が入り込むことは物理的に考えにくいので、Pixel 9 Pro Foldは防塵性能がないというよりはGalaxyと同じくIP4X程度なのだと想定されます。

ポケットやカバンに入れていたら知らない間にヒンジの隙間から小さなゴミが侵入してしまい、開け閉めがちゃんとできなくなってしまった、、、というのが折りたたみスマホならではの耐久性の課題でした。つまり折りたたみスマホではじめてIP6Xの防塵性能を実現したPixel 10 Pro Foldは「ヒンジ部分の耐久性が高く、壊れにくい折りたたみスマホ」ということなのです。

Googleのアナウンスでは「航空機や宇宙船の製造に使用されるアルミニウム合金を採用」、「Pixel 9 Pro Foldの2倍の耐久性を持つ新しいギアレスヒンジ」、「10年以上の折りたたみ動作に耐える」とされています。なんだか凄すぎてよくわかりませんが、耐久性の高さには自信があるということは伝わりました!

3.Qi2に完全対応

Qi(チー)というのはワイヤレス充電の共通規格の名称です。2023年に発表されたQi2は最大15Wのワイヤレス充電に対応し、マグネットで位置を固定することで安定した充電が可能な規格となっており、Pixel 10シリーズは全てQi2に完全対応しています。(Pixel 10 Pro XLはさらに高速な25W充電が可能なQi2.2に対応)

このQi2はAppleのMagSafeをベースに設計されており、Pixel 10シリーズはiPhone同様にマグネットリングが本体に内蔵されているので、MagSafe用の充電器やスマホリングなどのアクセサリ類がそのまま使えます。

Galaxy Z Fold7もQi2の規格に準拠した15Wのワイヤレス充電が可能ですが、本体にマグネットリングを搭載していない「Qi2 Ready」のため、MagSafeアクセサリを利用するにはマグネットリングが搭載されたケースをつける必要があります。
これらのケースを付けると厚みで2mm程度、重量で40g程度は増加しますので、結果として厚みも重さもPixel 10 Pro Foldと同じくらいになります。

まとめるとPixel 10 Pro Foldは薄型化や軽量化を目指す代わりに、「バッテリーの大容量化」、「ヒンジの耐久性の向上」、「マグネットリング搭載による利便性向上」という実用性の向上を目指した設計になっているのです。

Google Pixel 10 Pro Foldにお勧めの保護対策は?

本体にマグネットリングが搭載されているGoogle Pixel 10 Pro Foldなら、断然マグネット式のスマホリングがお勧めです!

面倒くさがらず常にリングを使うことを習慣にすれば、落として破損してしまうリスクは大幅に軽減できます。ただし指が痛くなってしまうリングだとついつい使わなくなってしまうので、自分の手のサイズや指の太さに合ったものを選ぶことが大事です。今回紹介するのはリングが革製のタイプです。金属性のリングを使っていると指が痛くなると感じる方にはこのようなタイプがお勧めです。同様の形状でシリコン製の製品もありますが、高額なPixel 10 Pro Foldには高級感のある革製のほうがマッチします!

ただスマホリングで落下防止はできますが、それだけではぶつけたり擦れたときに傷がつくことを防ぐことができません。そこでもう一つのお勧めはディスプレイだけでなく背面まで保護フィルムを貼ってリングと組み合わせることです。

これはDEVIAというメーカーが製造しているフィルムカットマシンで、スマートフォンのディスプレイや背面の形状に合わせて保護フィルムを切り抜くことができます。iPhoneやPixel、Galaxyなどグローバルで販売されている機種だけでなく、シャープやFCNTなど国内中心のメーカーや、日本では馴染みのないメーカーまで対応してるので、「自分の機種のフィルムが売ってない」という方にもおすすめです。

初期のスマホ保護フィルムはPET(ポリエチレンテレフタレート)が主流でしたが、衝撃吸収性が低い、気泡が入りやすいなどの理由で徐々にガラスフィルムに置き換わってきました。そして比較的新しい素材がTPU(熱可逆性ポリウレタン)のフィルムで、このDEVIAのカットマシーンはTPUフィルムを採用しています。
TPUフィルムは衝撃吸収性が高く、柔軟性があるため縁が剝がれにくいメリットがある反面、ガラスと比べると指滑りが悪く、柔らかいためキレイに貼るのが難しいというデメリットもあります。しかしこのDEVIAのフィルムは指滑りがガラスに近いうえ、貼りやすい構造になっており、TPUの弱点がかなり解消されている印象を受けました。
もちろん製品によって差はありますが、各素材の効果をまとめると以下のようになります。

素材 衝撃
吸収
タッチ
操作
気泡 耐久性 特徴
PET × × × 保護性能が低く、貼る時に気泡が入りやすい
ガラス 指滑りは良いが、欠けたりヒビが入りやすい
TPU 保護性能が高く、気泡が入っても数日で抜ける

また、DEVIAのフィルムは一般的な光沢タイプに加え、指紋や反射防止のマットタイプ、ブルーライトカットタイプ、小さな傷を自己修復してくれるタイプなどが準備されているので、好みに応じて選ぶことができます。

フィルムをカッティングマシーンにセットしてボタンを押せば、選択した機種に合わせてフィルムを切り抜いてくれます。機種によって選択できるパターンは異なりますが、Pixel 10 Pro Foldでは背面カメラ部分の保護にも使えるように、マイクやフラッシュライトの箇所が切り抜くこともできました。

今回はディスプレイに自己修復タイプのフィルム、背面にはスタンダードな光沢タイプのフィルムを貼り、MagSafe/Qi2対応のスマホリングを取り付けてみました。ケースのように厚くなったりデザインを損なうことなく、落下と傷を防いでくれます。このスマホリングはスタンドにもなるので、大きなインナーディスプレイで動画を見たり、オンライン会議をするのにも便利です。

DEVIAにはレザー調フィルムもあるので、革製リングと組み合わせて「大人仕様の保護セット」にすることもできます!

今後、iCracked StoreにもDEVIAのフィルムカットマシンを配備していく予定ですので、Pixel 10シリーズの方はもちろん、MagSafe 対応のiPhoneをお使いの方も、せひ「ディスプレイ&背面フィルム+スマホリング」をご検討ください!

やはり慣れたガラスフィルムがよいという方は、背面をDEVIAのフィルム、ディスプレイは従来通りガラスフィルムという組み合わせも可能です!